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会社の裏口 [小がめらの西方見聞録]

特にオチはないのですが、アメリカならではの身近なお話をひとつ紹介します。

(1) 私の会社の裏口前の社員用駐車場です。私のホンダCR-Vがキュートに見えます。渡航前に前任者から譲渡の話を打診された際、日本で同じ車を持っている人に見せてもらい、その時は「こんなデカい車、独り暮らしにはいらねーよ」と思っていたんですけどねぇ・・・。
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結局赴任後の仮住まいからアパートへの引っ越しや、チョットした家具類の買い物、機材を積んでの出張など、結構役に立っています。

ところでウチの会社、従業員は200名程ですが、ただの工場として始まったので、これと言って立派なエントランスロビーがあるわけではなく、受付や守衛がいるわけでもありません。

※ 10/04 大したものではありませんが、オマケの写真を2枚、記事の末尾に追加しました。

建物は幅60m、奥行き150mで、私は勝手に正面側から奥に向かって次のように4つの区画に分けて呼称しています。

・アップタウン: 偉い人達?がいる正面側オフィスエリア
・ミッドタウン: 組立工場、設計技術の事務所エリア
・ダウンタウン: 倉庫エリア
・スラム街: 私の部署の事務所や実験場がある一番奥のエリア(別名 Dark Side Office Area)

なんで「ダークサイド」と呼ぶかと言いますと、これは米国人同僚のTさんの命名で、映画「Star Wars」の帝国軍のダース・ベーダーが、ルーク・スカイウォーカーに「お前もこちら側に来い」という意味で「Come to dark side.」と言うシーンがあったとかで、それに因みます。そうなんです。私達の部隊は社内の本業とは違うことを生業とする「ならず者集団?」なんです(笑)


(2) という訳で、出勤時には建屋の一番奥の辺りに車を止め、その前にある写真の裏口を使って出入りしています。
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テントのようなものはキャノピーと呼びます。その下には喫煙者用の灰皿と木製のテーブルがあります。このようなテーブルはピクニックテーブルと呼ばれ、春から秋は週に2~3回、私はここでお弁当を食べています。

建屋にはこうした裏口ドアが何箇所かありますが、白い矢印で示すドアのステッカーがアメリカらしいんです。


(3) 「注意 施設内への銃火器持ち込み禁止」
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当たり前の事なのに、こういう表示が必要なんですね。(もちろん全ての出入り口に貼ってあります)

実際に持ち込んだ社員がいたという話は聞いたことがありませんが、大抵の人は家に持っているようです。この表示がある以上、違反すれば十分な解雇理由になるようです。とは言え、会社に平気で銃を持ち込むようなある意味「いかれた」人に対し、解雇を言い渡すのも命がけかも知れませんね。

いずれにせよ、人口3億人に対して、6億丁の銃が民間に出回っているとも言われている国ならではです。「世界最大の武装軍隊は米軍ではなく米国民だ」という言い方をされることもあるようで・・・。

オハイオ州では、外出時の拳銃携帯には免許が必要ですが、購入と所有は米国籍があればOKです。アルミケースなどにしまってあれば、家から射撃練習場への持ち運びはOKです。こうした規制やルールも州によってまちまちです。そして州の境界は行き来自由です。

購入時は、お店で運転免許証を提示して、いま日本で話題になっているマイナンバー(米国ではSSN=社会保障番号と呼びます)で米国籍の有無を確認します(なので私は買えません)。会社の近くのアウトドア用品店で、拳銃は$250くらいから売っていたと思います。銃身の長い猟銃は鎖でつないであるだけで、自由に手に取れるように陳列してありますが、拳銃は宝石店のようにガラスケース内にあり、店員さんに言って出してもらって手に取ります。銃弾は小箱に入ってお菓子のように普通に棚に並んでいます。まるでおもちゃ売り場のようです。


ボストン郊外に住む元同僚は、狩猟用の銃を3丁、拳銃を4丁くらい持っていて、地下室の耐火金庫のようなガンロッカーに厳重に保管しています。別に普通の板金ロッカーでも構わないのですが、なぜこんな金庫のようなロッカーにしまっているのか尋ねたところ、安全性の懸念ではなくロッカーを壊されて盗まれた時の金額的被害が心配なのだそうです。中には値の張る銃もあるようで、彼にとってはひと財産のようです。


銃の所持は厳しく規制されるべきだと思いますが、ここまで来るともうどうしようもないのでしょうね。


※ 10/04追加掲載 オマケの写真

OTH-2015-1002-MT004.JPG(4) キャノピーの下のピクニックテーブル。

天気の良い日は、ここでお弁当を食べるととても気持ちが良いのです。

「さんま蒲焼」や「鯖みそ煮」など、おかずの缶詰のにおいも気になりませんしね。窓が開かないため、室内だとにおいがこもってしまいますし、これらの魚類の缶詰の汁においを全く不快に思わないアメリカ人は殆どいないようです。なので、春から秋はなるべく外で食べるようにしています。


OTH-2015-1002-MT003.JPG(5) 同じくキャノピーの下には喫煙者用吸い殻入れ。

高さは約1m、チェスのコマみたいです。駐車場に面した裏口の2ヶ所に設置されていますが、屋外なので真冬は気温が-10℃だろうが-20℃だろうが、ここで吸う他ありません。

休憩時間等には男女を問わず喫煙者はここでたばこを吸っています。上の球体の下にある小さな穴から灰や吸い殻を中に落とします。

アメリカではこうした場所で喫煙するのは、工場の作業員の人などのいわゆる社内で高い地位に就いていない人達が主で、マネージャークラスやその上の人達は例え喫煙者でも、こうした人前では滅多にたばこを吸いません。オバマ大統領も喫煙者として知られていますが、人前では決して喫煙しないそうです。

日本から出張してくる偉い人たちには喫煙者が多いですが、そういう人達が灰皿の前でたばこを吸いながらたむろして仕事の話で何分も話し込んでいる姿は、アメリカ人に言わせると非常に見た目上よろしくないそうです。お心当たりの方は、気を付けられたらよろしいかと思います。


小がめら(拝)

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コメント 4

チューリップでございます。。

こんにちわ、小がめらさん。。

今回の記事、夫にも写真と内容を話してあげました。
(話してあげる、、って、あくまでも上から目線で(笑))

「StarWars」のダークベーダー、ルークに言ってましたね。
私も夫も「StarWars」映画館で観て、DVDでも観て~。
けっこう好きです。。。
最新作も観なければ!!です。

(3)の表示、、、、
「さすが、米国だな~。そりゃ、3億人で6億丁はあるんじゃねの。
米国人は、中国みたいに上から圧力かけられたら、即!自由を求めて
立ち上がるって民族だから。
車のダッシュボードに普通に置いてあったりするんじゃねの。
金庫に入れる銃は、かなり高価なヤツなんだろうな~。」とか、、
夫が話してました。

小がめらさんの米国ネタ、またお聞かせくださいませ。
楽しみにしております。。。

by チューリップでございます。。 (2015-10-01 22:29) 

小がめら

チューリップさん、こんにちは。早速のコメントありがとうございます。

> 今回の記事、夫にも写真と内容を話してあげました。(話してあげる、、って、あくまでも上から目線で(笑))

ありがとうございます。奥様がご主人に対して上から目線・・・夫婦円満の証拠ではないでしょうか。


> 「StarWars」のダークベーダー、ルークに言ってましたね。私も夫も「StarWars」映画館で観て、DVDでも観て~。けっこう好きです。。。 最新作も観なければ!!です。

結構記憶に残るシーンなのですね。私も25年前くらいにレンタルビデオで3作とも視ていますが、具体的には覚えていないです。新作も含め、そろそろ日本版のDVDで映画をまたぼちぼち入手したい頃です。

日本版のDVDは日本語と英語の字幕があるのが有難いですね。こちらで買うと日本の機械では再生できないし、字幕も英語の他はフランス語なんです(恐らくカナダ東部を意識しているのでしょう)。なので、入手に多少お金が余計に掛かっても、買えるのなら日本仕様がいいです。


> (3)の表示、、、、 「さすが、米国だな~。そりゃ、3億人で6億丁はあるんじゃねの。米国人は、中国みたいに上から圧力かけられたら、即!自由を求めて立ち上がるって民族だから。

多民族国家なので、民族と言うよりは、その建国の歴史に基づく国民性でしょうね。個人の自由を求める意識は仰る通りですね。そのパワーが常に良い方向に行くとは限りませんが、良くも悪くも世界の縮図のような国なので、学ぶことも多いです。


> 車のダッシュボードに普通に置いてあったりするんじゃねの。

ハイウェイで警察に止められている車を良く見ますが、どう見てもただのスピード違反の検挙じゃないな、と思われることも良くあります。複数のパトカーと複数の警官。何かヤバイ物でも見つかったな? 何て想像しながら通り過ぎます。恐らく薬か銃と言ったところでしょうね。


> 金庫に入れる銃は、かなり高価なヤツなんだろうな~。」とか、、夫が話してました。

1丁で何万ドルというモノではなさそうですが、何千ドルもするものは持っているみたいです。全ての銃を見せてもらって、触らせてもらって、ライフルにスコープ付けたの覗かせてもらって・・・と一通りいじってみましたが、どれが値打ち物なのか、シロウトの私にはさっぱり分かりませんでしたが(笑)

亡くなった父が趣味で銃猟をしていたので、私の家にも散弾銃の垂直二連式や、単身の5連装銃とかありました。飼い犬も猟犬でした。所持許可申請時には親兄弟の犯罪歴まで調べ、年に1回お巡りさんが保管状況の確認に来ていましたっけ。

父の持っていた散弾銃と比べると、元同僚の持っている銃はどれもとても小形で軽いのに驚きました。その気になれば簡単に持ち歩いて悪いことに使えてしまいます。


> 小がめらさんの米国ネタ、またお聞かせくださいませ。楽しみにしております。。。

ありがとうございます。身近なネタばかりで「何の役にも立たない余計な豆知識」にしかならないかも知れませんが、読んでくださる方がいらっしゃると思うだけで、記事を書く意欲は支えられます。


それではまた、いつでもお書き寄り下さい。


by 小がめら (2015-10-02 02:27) 

shout83

こんにちは、

銃を大抵の人は家に持っていると聞くとやはり恐ろしいですね。
私は、アメリカはハワイまでしか行ったことがないのでアメリカ本土にも観光では行ってみたいと思ってますけど、ちょっとでも不審な動きをしたら即撃たれそうな気がして住むのはやはり怖いです。


ところで今、ネットで知ったんですけど、イチローがフィリーズ戦で投手デビューしたそうですね。
日本ではオールスターでありましたけど、まさかメジャーの公式戦で投げるとは思っていませんでした。
点は取られたみたいですけどスライダー、チェンジアップも投げたということで、ビックリです。
アメリカでは話題になってるんでしょうか。

今年は打者としては本人も不本意なシーズンだったと思うんですけど、シーズン最後に話題を作るところは流石はイチローです。
またレジェンドを一つ作りましたね。

でもこれって来シーズンに向けて何らかの意図があるんでしょうか?


by shout83 (2015-10-05 09:38) 

小がめら

shout83さん、こんにちは。

> 銃を大抵の人は家に持っていると聞くとやはり恐ろしいですね。私は、アメリカはハワイまでしか行ったことがないのでアメリカ本土にも観光では行ってみたいと思ってますけど、ちょっとでも不審な動きをしたら即撃たれそうな気がして住むのはやはり怖いです。

銃の保有率は州によってだいぶ違うようです。以前住んでいたボストン辺りは結構厳しかったので、拳銃の持ち歩きは出来なかったようですし、社内では家に拳銃を持っているだけで奇異に観られていました。

聞いた限りでは、私の住むオハイオ州や隣のミシガン州(デトロイトのある)でも、ホルスターに入れて携帯して歩くには別途免許が要りますし、そのようなことをしているような人は、私の気が付いた限りでは見かけたことはありません(隠していれば一件ではわかりませんが)。

強盗(ホールド・アップ)とかなら別ですが、不審な動きをしたらすぐに撃たれるということはないとは思いますが、それを心配するなら警官に止められた時ですね。それこそ銃を構えている警官に対して、誤解されるような動きをしたらすぐに撃たれると思った方がいいかも知れません。

どんな都市でも治安の悪い区域というのがありますので、そこに立ち入らないように気をつけていれば、さほど心配することはありません。ハワイ・オアフ島あたりとそんなに変わらないと思いますよ。観光地は警官の配置や巡回も多いです。

よろしければ、私が駐在している間にお越しいただければ、車で行ける範囲(半径1000km程度)であればご案内いたします。たぶん生きて帰れると思います(笑)


> ところで今、ネットで知ったんですけど、イチローがフィリーズ戦で投手デビューしたそうですね。日本ではオールスターでありましたけど、まさかメジャーの公式戦で投げるとは思っていませんでした。

私もチューリップさんから連絡をいただき、早速YouTubeで視ました。かなりのサプライズでした。でも消化試合の最終戦とは言え、粋なはからいですね。


> 点は取られたみたいですけどスライダー、チェンジアップも投げたということで、ビックリです。アメリカでは話題になってるんでしょうか。

スポーツ専門チャンネルのESPNのサイトでは動画と共に報じていました。一般の三大ネットワークなどでTV報道するほどではなさそうですが、家でTVを視ることは滅多にないのですみません。


> 今年は打者としては本人も不本意なシーズンだったと思うんですけど、シーズン最後に話題を作るところは流石はイチローです。またレジェンドを一つ作りましたね。

全て仰る通りだと思います。MLBでも話題になって嬉しいです。登板後にベンチに戻る時は不本意そうな表情でしたが、ESPNの報道を見る限り、ベンチの中では明るく仲間と話をしていた様子だったので安心しました。イチロー選手の多才ぶりがまたひとつ尊敬を得たと思います。


> でもこれって来シーズンに向けて何らかの意図があるんでしょうか?

私もそこを一番気にしました。「最後に一花」という事でなければ良いのですが。来年もユニフォームを着ることになったとしても、急激に復調することはないとは思いますが、それでもまた毎日、前日の結果に一喜一憂しながら応援する日々を送りたいです。


それではまた。

by 小がめら (2015-10-05 11:50) 

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