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よん・さん・とお [交通]

OTH-2018-0925-001.JPG私たちの世代で「よん・さん・とお」と聞いて何のことだかわかる人は「お鉄さん」ですね…(笑)

昨日は無残業日なので早めに帰宅したら、1ヶ月位前に予約注文してあった復刻版の時刻表が届いていました。すっかり忘れていました (^^;)

「よん・さん・とお」とは、昭和43年10月1日の国鉄ダイヤ大改正のことで、他にも「ごお・さん・とお」とか幾つかあるみたいですが、毎年行われる小さなダイヤ改正ではなく、白紙改正のような大規模なダイヤ改正のひとつです。

新幹線の開業などで並行在来線などのダイヤが大きく変わりますが、43.10は新幹線の開業は関係ありませんが、東北本線の全線電化が絡んでいて、近代では最も大きな改正のひとつだったようです。私はまだ幼稚園児だったので、具体的な内容は良く知らず、43.10という名前だけ知っていた程度でした。

なので、今回JRE MALLの通販サイトで当時の時刻表の復刻版の発売の広告を見た時、迷わずポチってしまいました。(限定3000セットとのことですが、まだ手に入るかも知れません)

予めお断りしておきますが、この記事は43.10改正の内容をアレコレ詳細に論じるものではありません。時刻表を見比べて私が興味を持ったことを書いているだけです。

さて、今回の復刻版は、43.10の改正直後とその前月の号が2冊セットになっていて、改正の前後が比較できます。
(2)
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広告によれば、誌名の「ダイヤエース時刻表」は、「JR時刻表」の前身の「大時刻表」が、1968年3月号~1975年2月号までの約7年間使っていた名称だそうです。
(3)
OTH-2018-0925-007.JPG大きさはB5判くらいで、ケースに入っています。(4)

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(5) 当時の価格は180円とありますが、復刻版のお値段は…?
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本体3,991円。半端な数字ですが意味があります。消費税込みで4,310円、「よん・さん・とお」です。これが高いのか安いのか分かりませんが、「お鉄」には説得力のある数字です。 それでは「ごお・さん・とお」のが復刻されたら5,310円で買うかというと、たぶん買わないでしょうね…(笑)


(6) 付録がついていました。改正当日と翌日の交通新聞のコピーです。
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無断転載なので、拡大は不可にさせて戴きましたが、見出しで雰囲気だけでも味わって戴ければ幸いです。
(7) 10月1日(新ダイヤ初日)
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画期的な体質改善…だったのかも知れませんが、このあと大赤字のスパイラルに、そして昭和62年の分割民営化へ…。

(8) 10月2日 山手線が10両編成になったとあります。この時からだったのですね。
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路線図のページが興味深いです。

(9) 首都圏 当然ながら、武蔵野線・京葉線・埼京線・横須賀線(湘南新宿ライン)はありません。東急田園都市線も大井町発ですね。
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(10) 北海道が賑やか~
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(11) こちらは2002年の時刻表の北海道です。いろいろ無くなったり、三セクになったり。いまはもっと少ないでしょうね。
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ところで、地元高崎線のページを見ると…(当時はまだ鶴見に住んでましたが…)

(12) 改正前月 ムムム…「浦和」が載ってない。この頃は京浜東北線だけの駅でした。(緩行電車のみの停車で)本線の普通電車も停まらない県庁所在地駅「浦和」として有名でした。のちに武蔵野線の旅客開業で東西南北が揃って更に有名になりました。
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熊谷駅での秩父鉄道の連絡時刻の記載があるなんて、当時は観光での乗り換え需要が多かったのでしょうか。

(13) 改正後 秩父鉄道の接続の記載がなくなり、代わって「浦和」が登場しました。特急・急行の少ない朝夕のラッシュ時のみ、普通電車が停車するようになりました。浦和駅の出世の始まりです。
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それでも高崎線の普通電車はまだ1時間に1~2本。浦和に全ての普通電車が停車するようになるには、上越新幹線の開業によって特急・急行が大幅削減され、代わって普通電車が増発されるまで、まだ15年待たねばなりません。湘南新宿ラインが停車するようになるのは、実に40年以上もあとの事です。


このダイヤ改正前まで、上野発青森行きの昼間の特急は、ディーゼル特急「はつかり」が常磐線経由で、10時間24分かけて走っていましたが、東北本線の全線電化により43.10にて東北本線経由に変わり、電車特急「はつかり」として生まれ変わりました。上野10:15発の下り「はつかり2号」は途中、宇都宮、福島、仙台、盛岡の4駅だけの停車で、上野→青森間を約2時間短縮して8時間32分で結びます。

昭和55年に私が上野→青森で乗った「はつかり11号」が、当時のはつかりで最速の8時間43分(途中7駅停車)でしたから、とにかく43.10では上野~青森の速達化を重視したようです。

またこの時刻表を見て懐かしいのは、43.10以前は2往復以上運行している特急や急行がまだ「第1とき」「第2とき」と言う呼び方で、「とき1号」「とき2号」ではないことです。それが43.10からは新幹線「ひかり〇〇号」と同じに在来特急・急行も「とき1号」「とき2号」に変わります。小田急ロマンスカーが、比較的後年まで「第1はこね」というような呼び方を使っていたと思います(昭和55年頃に乗った時はまだそうでした)。

ところで、「8時ちょうどの~、あずさ2号で~」は有名な歌ですが、同様に時代を感じます。前の段落で上野発の下り「はつかり2号」に触れましたが、当時はまだ奇数は下り、偶数は上りという番号の振り方ではなく、上りも下りもそれぞれに1号、2号、3号と同じ号数がありました(私も今回知りましたが…)。「あずさ2号」の歌詞では恐らく新宿発の下り電車を想定していたのだと想像します。現代に当てはめて上り電車であなたから旅立ってもいけないことはありませんが、ちょっと情緒に欠けますかね。因みに、43.10で「あずさ」1日1往復の増発で3往復。下り「あずさ2号」は新宿13:00発、上り「あずさ2号」は松本12:35発で、新宿~松本間を17分短縮して3時間42分で結ぶようになりました。

(14) いやいや能書きに違わぬ大改正だったのですね。
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実は復刻ではなく、購入当初から保存している時刻表が3冊あります。

(15) 1980(昭和55)年10月号
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(16) 1985(昭和60)年6月号
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当時時刻表をたまに買っていましたが、臨時列車の掲載やダイヤ改正のタイミングから、毎月買わずとも年に4回(1月号、4月号、7月号、10月号)買っていると、ほぼ状況は分かると言われていたようです。私は特に逐一追いかけていたわけではありませんが、たまたま買ったこの2冊を大切に保管しているのは理由があります。

それは、この2冊で1982年の東北・上越新幹線の開業前後の違いが分かるからです。特に東北本線と高崎線が激変しています。新幹線の開業で高崎線と宇都宮線の役割が大きく変わったのが良く分かります。急行停車駅にすぎなかった熊谷駅が、新幹線の駅へと大出世したことも見て取れます。

今回知ったのですが、いまでは全ての新幹線が停車する大宮駅でさえも、43.10改正の頃は急行停車駅にすぎませんでした。浦和駅、大宮駅、熊谷駅の出世は、いわば埼玉県の出世というか認知度の向上と、人口増を反映しているのでしょうね。

(17) 2002(平成14)年1月号
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保管している3冊の中で最も状態が悪いです。表紙の写真の通りで、秋田新幹線や山形新幹線の開業による違いの資料にはなりますが、それを意識して保存していたわけではありません。でも、1985年から17年後の資料として、今は少し存在意義がありそうです。またそろそろ次の保管用を買っても良い頃かも知れません。

それではまた。
プチ鉄 小がめら(拝)







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sjghd

こんばんは。

「よん・さん・とお」は、まったく知りませんでした。
また、SLとかも興味がなかったです。

4310円は、まあ、好きな方は、購入する値段だと思いますが、、、
時刻表復刻版は、まだ売っているようです。
ですので、まだ、3000は、売れてないようです。

時刻表を今でも保存しているということですが、
私の場合は、
桜田淳子さん、浅田美代子さん、山口百恵さんが載っている本とテレビガイドの一部
あとは、野球関係の雑誌(王選手の特集)くらいを保存しています。

by sjghd (2018-09-27 21:29) 

小がめら

sjghdさん、こんにちは。こんな鉄ネタにも早速のお書き寄りを戴きありがとうございます。

> 「よん・さん・とお」は、まったく知りませんでした。また、SLとかも興味がなかったです。

私も高校生の時に、熱心なお鉄の同級生からその言葉を聞くまで、そのような呼び方があることすら知りませんでした。私もSLはあまり興味ありませんでした。地方の鉄道などでSLを使ったイベント列車などがあり、よく「SLに乗ってきた」とかいう人がいますが、それを聞くたびに「SLに乗ったわけではなく、SLの牽引する客車に乗っただけやろ…」と冷ややかに見ていました(笑)


> 4310円は、まあ、好きな方は、購入する値段だと思いますが、、、

仰る通りですね。時刻表としての実用性は全くありませんし、コレクションというのもチョッと違うきがします。復刻版ですから、当時のオリジナルとしての希少価値もありません。私のように、ダイヤを見ながらあ~だこうだ言う人が、お小遣いで手に入れるにはちょうど良い値頃の資料と言ったところでしょうか。


> 時刻表復刻版は、まだ売っているようです。ですので、まだ、3000は、売れてないようです。

あまり大々的に宣伝するような代物でもないので、気が付いていないお鉄も多いのかも知れません。あと何部くらい市場で売れ残っているのか興味がありますが、企画としての損益分岐点は半分の1500部くらいかな?と想像しています。


> 時刻表を今でも保存しているということ 私の場合は、桜田淳子さん、浅田美代子さん、山口百恵さんが載っている本とテレビガイドの一部あとは、野球関係の雑誌(王選手の特集)くらいを保存しています。

私の時刻表はたまたま捨てずに残しておいたものが、あとになってそれなりに自分の中で価値が出ただけのことです。sjghdさんのように当時から熱意をもって保存していたのとは次元が違います。sjghdさんがそうして収集されたものは、現在多くの淳子ファンの皆さんに当時の事を思い出させてくれて、また知らなかったことを教えてくれて、楽しませてくれています。有り難いことです。末永く続けて戴ければと楽しみにしております。

ありがとうございました。またいつでもお書き寄り下さい。

by 小がめら (2018-09-29 09:58) 

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